2026/09/11 08:35
デトックスって言葉、正直ちょっと胡散臭いなと思ってた時期があります。わたしがこの仕事を始めた頃、「毒を出す」みたいな表現に違和感があって。だって体の中に毒が溜まってるって、じゃあ普段わたしたちの体は何してるの?って話じゃないですか。
で、調べた。ちゃんと生理学の本を開いて、厚労省や日本肝臓学会の資料も読んで。そしたら、肝臓と腎臓が毎日えげつない量の仕事をこなしてることが分かってきたんです。今日はその話をシェアさせてください。
そもそも「解毒」って医学的には何を指すのか
まず前提として、健康な人の体に「毒素」がベッタリ溜まってるみたいなイメージは、生理学的には正確じゃないみたいです。じゃあ何もしてないのかというと、逆。肝臓と腎臓が休みなく代謝と排泄をやってるから、溜まらずに済んでる。そういう話なんですよね。
医学の教科書で「解毒(detoxification)」というと、だいたい肝臓での薬物代謝のことを指します。もっと広く言えば、体内で不要になったものや外から入ってきた異物を、水に溶けやすい形に変えて、胆汁や尿として体外に出す一連の仕組み。
これが分かると、「解毒しなきゃ」より「肝臓と腎臓が働きやすい状態でいたい」の方がしっくりくる。少なくともわたしはそう思うようになりました。
肝臓の仕事は思ってた3倍くらい多かった
肝臓って重さで1.2〜1.5kgくらいあって、体の中では脳の次くらいにデカい臓器なんです。で、何をしてるかというと、ざっくり500種類以上の化学反応をこなしてると言われてます。500ですよ。
その中で「解毒」に関わる部分を、生化学の教科書ではよく2段階に分けて説明します。
第一相反応と呼ばれる段階。ここではCYP450(チトクロムP450)という酵素グループが主役で、薬とかアルコールとか、脂に溶けやすい物質に酸素をくっつけたりして、化学的な足場を作ります。ちなみにこのCYP450、ざっと50種類以上あって、人によって働き方に個人差があるらしい。同じ薬を飲んでも効き方が違うのはこのせい。
第二相反応。ここで「抱合」というプロセスが起きます。グルクロン酸とか硫酸とかグルタチオンとかを、第一相で加工された物質にくっつけて、水に溶ける形に変える。水に溶ければ胆汁や尿として流せる。そういう仕組み。
お酒を例にすると分かりやすいかもしれません。エタノールがADH(アルコール脱水素酵素)でアセトアルデヒドになって、ALDH(アルデヒド脱水素酵素)で酢酸になって、最終的に水と二酸化炭素まで分解される。飲みすぎた翌朝の頭痛は、この処理が追いつかなかった残りカスのせい、という理解でだいたい合ってるみたいです。
腎臓は「濾過装置」以上のことをしてる
腎臓は握りこぶしくらいのサイズが左右に1個ずつ。この小さい臓器が、1日におよそ150リットルの原尿を作ってます。そこから99%くらいを再吸収して、残り1.5リットルくらいを尿として出す。この選別作業がひたすら緻密。
流れをざっくり書くと、糸球体という毛細血管の塊で血液を濾過して、尿細管で「これは体に必要」「これは要らない」を仕分けして、要らないものだけ尿に残す。
ここで肝臓とバトンタッチする物質があって、代表的なのが尿素。タンパク質を分解するとアンモニアが出るんですが、これは神経毒になるので放置できない。肝臓が尿素回路で無害な尿素に変えて、腎臓が尿として出す。肝腎連携ってこういうことなんだなと、調べてて腑に落ちました。
じゃあわたしたちにできることは何なのか
ここまで書いてきて思うのは、体の解毒システムってもう完成されてるってことなんですよね。サプリを飲んだから急に肝臓の処理能力が3倍になる、みたいなことは基本的にない。
ただ、肝臓と腎臓が働くには水分が要るし、材料になる栄養も要る。睡眠不足や過度な飲酒が続けば処理能力は落ちる。当たり前のことなんだけど、当たり前のことをやるのが一番難しい。
わたし自身、去年の健康診断で肝機能の数値がじわっと上がってて、「あ、これは生活を見直すサインだな」と思って、平日はお酒を抜くようにしました。半年経って数値は戻った。特別なことは何もしてない。水をちゃんと飲んで、寝る時間を早めただけ。
「解毒」って言葉にワクワクする気持ちも分かるんですけど、実態は地味です。肝臓と腎臓が今日もちゃんと働いてる、その仕事を邪魔しない生活を続ける。それだけ、と言ってしまえばそれだけ。
興味を持った方は、日本肝臓学会やMSDマニュアル家庭版のサイトが分かりやすいので覗いてみてください。読み物として面白いです。
ちなみにわたしのお店では、めぐりを整える暮らしを提案する中で「ファイブポイントデトックス」という商品も扱っています。生活の一部として気になる方がいたら、店頭で気軽に聞いてください。
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